『壬生義士伝』(映画版)を見た。

壬生義士伝 [DVD]
「はなっこ、さかせてみろー」
 なんてインパクトの強い台詞だ。てかね、もう台詞が全然聞き取れない。訛りすぎてて。どこの異国語だって感じなの。これね、先に原作読んでなきゃ全然わかんないんじゃないですか? いや、いいんですけど南部訛うけるんで。超ツボです。ど真ん中ストライクです。爆笑の渦です。字ヅラだけだとどんなイントネーションかさっぱり分かってなかったんだけど、実際発音してるの聞くとたまりませんな。特に中井貴一。あの口調でミキ・プルーンのCMやってほしい。
「オモサゲナガンス、ミスター・ミキ・プルーンと申しあんす」
 とか言って。お願いだから言って。

話自体は原作にほぼ準拠でやっぱりところどころ涙が。斉藤がたまたま訪ねた病院に千秋がいて、飾ってある吉村の写真にからめて思い出話が始まるってのはなかなかうまい作り方だと思った。まあこういう仕組みが一番楽だよねあの話を映画化するなら。

キャスト。素晴らしい。吉村は正直テレビ東京版の渡辺謙の方を楽しみにしてたんだけど(なんたって中井貴一=ミキ・プルーンなので)、これが意外や意外、はまってるんだ。長身でやぼったい感じが出てて、どことなくコミカル。あの顔でお国自慢家族自慢されたら斉藤じゃなくても斬りたくなるよ(違)。斉藤の佐藤浩市も良かったなあ・・・。なんであの人はあんなに悪い人の役が似合いますか。
「さすがに俺が近藤を殺すわけにはいかなかったので、別のものを斬ってきた」
 で帰ってきて常ならず興奮して返り血を落としてるところがタマランです。これ、テレビ東京版はほんとに竹中直人がやってるの? なんか想像つかないんですが・・・。オダギリジョーがやってるところも想像つかないけど。全くの伏兵だったのが中谷美紀のおぬい。もうね、めちゃくちゃ可愛いの。南部訛が。なんか原作から相当変更されてるんだけどそれが全然いやじゃないの。鴨、じゃなかった斉藤が文を届けにきたとき、隙をついて飛びかかるところで斉藤と一緒ににやけちゃいましたよ。しょうがねえなこいつ的な勢いで。しかしあの人捕まえて醜女はないよなーと思ったんだけど、この時代の美人って下膨れで肉づきのいい人だっけ? それなら分からんでもない。あと、正直ちびノリダーには失望した。『海猿』に期待してたんだけど、一抹の不安が・・・。慣れない時代劇、慣れない南部訛だったからだと思いたい。
そしてメインイベント。堺雅人AS沖田総司。堺ワールド炸裂。もう俺脳内の沖田イメージは堺雅人で決定(ただし浅田版に限る)。浅田版沖田の気持ち悪さがよく出てますがな。周介お披露目の会に遅れてやってきて真ん中突っ切って着座し満面の笑みのままおもむろに飯を食いまくったりとか。あとやたら無邪気っぽくニコニコ笑ってる割にはやることえげつなかったりとか。なんか刺した後グリッてしてたよねグリッて。殺陣も「新選組!」とは比べ物にならないほどかっこいい。僕もすっかり堺ファンになってしまいそうです。そしてダメ押しの喀血してニヤリ。

次はテレビ東京版かー。竹中直人の斉藤が楽しみなような怖いような。それ以前に金子賢の沖田が不安。