『青の炎』(貴志祐介・ISBN:4041979064)

青の炎 (角川文庫) クリムゾンの迷宮 黒い家 (角川ホラー文庫)
貴志祐介の作品は、『十三番目の人格−ISOLA−』からずっと読んでいる。正直『十三番目の〜』は心理学用語の胡散臭さが鼻についてイマイチ感があったけど、その後『クリムゾンの迷宮』を読んで評価が変わった。『黒い家』もよかったし、何より『天使の囀り』の悲惨さがたまらなかった。
で、『青の炎』である。発表された当初はなぜか読む気にならず、まあそのうち読めばいいかと思っていたんだけど、なんであの時立ち読みでパラパラページをめくっておかなかったんだろうか、と今後悔している。
駄目なの。弱いの。高校生が四苦八苦してる姿に。自分の信じた道を、迷いながらもひたすら突き進んでいく姿に。あー、僕はもうこんな時期をずっと昔に通り過ぎてしまったんだなあ、という事実に気づいてしまうのが怖いの。
結末もちょっとずつ予想を裏切りながら進行していって、最後まで一気に読み進んでしまった。ラストにちょっと不満があるけども。
今気づいたんだが、きっとこれ映画化されたから脳内でキャラが立って余計面白くなったのかもしれないなあ。映画化前に読んでもここまで面白くなかったかも。主人公が嵐の二宮和也ってのは個人的に満足していて、父親役の山本寛斎がもうはまり役じゃないかと。あと妹役の・・・ってええっ!? 妹役、鈴木杏!? 俺てっきり松浦亜弥だと思い込んでたよ!! ええ!? 松浦亜弥はヒロインの紀子役なの!? 俺の脳内配役はいったいなんだったんだよ! もうこうなったら映画版は見ないもんね! 脳内配役で固定してやるもんね!
俺脳内のヒロイン像は、なんか江口寿史の描く女の子というか、もっと言えば『グミ・チョコレート・パイン』(大槻ケンヂ)を読んでいるときに脳内に思い浮かべたのと同じ女の子だったんだけどなあ・・・。松浦亜弥とは似ても似つかない・・・。