『こどものあそび』(南Q太・詳伝社)

今までの単行本で描かれてきたいろんな女の子の物語が、一つに集約されたような本。もちろん今まで描かれた物語は南Q太自身、あるいはその周辺で実際にあった出来事が題材となっていると思う。だから、今作のように(おそらくは)南Q太自身をモデルとした女の子が母になる過程の物語として再構成し、いわば縦糸を通してやることで整合性のようなものが生まれている。なぜか『まんが道』を思い出してしまった。自分語り臭さというか、そんなニオイがしたからだろうか。印象しか語っていないが、もともと僕は南Q太を印象でしか読んでいないのでそんなものだろう。僕はこの漫画家の持つ「雰囲気」が好きなのだが、今作を読んでその「雰囲気」が何か判ったような気がする。
「孤独感」だ。自分の中に没入する意識だ。