第36回「対決見廻組!」

運命の歯車が回る音がみしりみしりと骨に響く回。
坂本竜馬薩長同盟成立に向けて精力的に活動する中、新選組は見廻組と衝突を繰り返す。しかも新選組内部では伊東がちゃくちゃくと地歩を固め、分派を図っている。
そのなかで翻弄される若者たち。
新選組の急速な拡張と、人が変わったような近藤・土方に戸惑いを覚える総司。
近藤と伊東の間で揺れ動き、変わらない(変われない)総司や原田と遊んで気を紛らす平助。
兄と土方の関係が刻々と悪化していることも知らず、近藤の期待に応えようと、懸命に努力する周平。
彼らが懸命に生きているその一瞬ごとに、歯車は回り続ける。
滅びに向かって。
中山道で宿の割り振りに四苦八苦していた近藤が、いつのまにか百名を超える隊士を手足のように扱えるように成長しているのを見て、喜びとともに脳裏を掠める思い。
終わりが近づいている。着実に。
彼らと同じように、僕にも時間は降り積もっていく。こうしている間にも歯車は回っている。彼らに先が、やがて来る滅びが見えないのと同じように、僕にも自分の先は見えない。
そんな当たり前のことを噛み締めた日曜の夜。