うかつだった・・・。

先週あたりから身の回りの整理を始めている。本が多すぎるわでかいゴミをめんどくさがって捨ててないわで生活スペースが起きて半畳寝て一畳状態になってしまったので。押入れの中をあさっていたら昔もらった年賀状やはがきなどをしまっておいたケースを発見。どれどれ・・・と探ってみると、昔の彼女からもらった手紙が・・・。
思わず読みふける。
あー。あー。あー。切ねー。俺の話なのに切ねー。あれですよね、「ずっと一緒にいたい」とか「いつまでもあなたのことを愛してる」とかいうのは全部嘘ですよね。・・・嘘なんだよなあ・・・。
この人は僕が高校2年の春〜大学1年の秋頃付き合ってた人で、すんごい頭が良かった。本もたくさん読んでた。憧れの先輩だった。そう、いっこ上の人だった。当然先輩は一足先に卒業して遠くの大学へ行っちゃって、遠距離恋愛が始まって、そっからのログが残ってるんだよね。僕はそのころホントにアホで世間知らずで、親元で家族の愛に包まれて先輩の大学目指してひたすら勉強してたのね。勉強しすぎて目が悪くなっちゃうぐらいに。だから初めて親元を離れて一人で暮らす寂しさってのが、全然理解できてなかった。「あなたに会いたいです」と書かれていても、「ああ、俺愛されてるなあ」って勘違いしてた。それは彼女が送ってきてたSOSだったのに。このままじゃ寂しさに負けて誰かにすがっちゃうよ、っていうメッセージだったのに。そして夏が過ぎ、秋が来る頃には(おそらく電話はしてたと思うんだけど)手紙も来なくなり、大学1年の秋に僕は布団の中で泣いた。
それからしばらく僕は虚脱した状態で、現実感の無さを感じながら彼女に手紙を書いた。何を書いたかは覚えてないんだけど、彼女から来た返事の手紙はとってあった。「今つきあってるのは25歳のSEです。価値観が似ていて、私と同じものを持っているように思います」と書いてあった。
ああ、俺はもう、26歳のSEになっちゃったよ。
ちょっと涙がでそうになって、慌てて手紙をしまって片付けを再開した。こんどは昔の写真が出てきて、そこにはニッコリ笑って目がなくなってる先輩が写っていた。僕は今日無印で買ってきたアルバムに、先輩の思い出をそっとしまいこんだ。