HEROを見た。

結局倉吉まで行ってしまった。
アクションバリバリなのかと思ったら、実はそうでもなく。アクションや映像の凄さはあくまで飾りで、ストーリーで見せる映画だった。まあ監督(チャン・イーモウ)が今までに撮ってる映画のリストを見る限り、アクションがメインになるわきゃないんだけど。偉そうなこと言っておきながら未見だったりするんだけど。
ストーリーにあまり言及するとネタバレになりそうであれだけど、一言だけ言っておくと僕は『羅生門』を思い出した。黒澤明の。この手の見せ方は好きだ。ただし後半静かなシーンが多くて、ずいぶん眠かった。というか何度も意識が途切れた。どのくらい眠いかというと『二つの塔』のエルフの里あたりとかセオデンが復活した直後の墓場のシーンあたりとかのレベル。
映像は美しかった。最初、趙人がみんな赤い服着てるのは、秦人がみんな玄い服着てるのと同じで国のテーマカラーだと思ってたんですわ。宮城谷昌光あたりが書いていそうな。でもこれが場面転換と共に登場人物全員の色が変わるの! まさかこう来るとは! 複雑になりそうなストーリーもこれですっきり。上手いなあ。色彩にはほんとにこだわりがあるようで、あちこちで述べられているけれど落葉舞い散る中での飛雪のキメシーンはぞっとするような美しさ。あと、王宮での一騎打ちで幕が一斉に落ちていくシーンも素晴らしい。
当初の目的だったバトルシーンと失笑シーンもちゃんと用意されていて、やりすぎなくらいにワイヤーアクション。ああ、ドニー・イェン梶原善に見えて仕方なかった・・・。『ブレイド2』では出番少ないけどかっこよかったのに。いや、ドニー・イェンの演じる槍使い長空はクールでかっこいいんですよ。でも顔が梶原善。まあとにかく、無名VS長空はこの映画で一番のアクションシーンです。一方、楽しみにしていた失笑シーン、秦の矢が空を埋め尽くして飛んでくるあたりはたまりませんでした。あんな矢の避け方はアリなのか。そうそう、水上での戦い、アクションシーンとして楽しみにしてたのに失笑シーンだったんだよなあ・・・。それから最初の方で無名が階段上るシーン、CGで兵士増やしすぎ。その直前で無名が通る道の両サイドそれぞれ一列分しか兵士いないの見てたらバレバレなのに。
総合すると映画館で見るくらいの価値はある映画だと思います。DVD買うかどうかは微妙。あとチャン・ツィイーは評判どおり可愛かった。