『呪禁局特別捜査官ルーキー』(牧野修・詳伝社ノン・ノベル)

続きが気になって会社へ持っていって休み時間に読んだりしていた。これもライトノベルに入るんだろうか。ある日突然魔法が効いちゃうようになった科学文明で、魔法を使った犯罪を取り締まる「呪禁官」の物語。そういえばこの設定を見て『ドラえもん のび太の魔界大冒険』を思い出したのだが、あっちでは科学と魔法の立場がまんま入れ替わってしまった(科学が迷信となってしまった)のに対して、こっちでは元が科学文明だっただけに、魔法発現後も科学が用いられ続けている世界だ。しかも魔法をコンピュータとのアナロジーで体系化していたりする。まあそんな感じの、会社で読んでるのが見つかったら恥ずかしい勢いの本なので、課長が後ろを通りがかる度に冷や汗をかきかき。
前作『呪禁官』では呪禁官を目指す学生だった主人公たちも、立派な(?)若者となってそれぞれの道を歩んでいる。呪禁官にならなかったのも居たりするあたりがそれらしくていい。俺は成長物語に弱い。
それにしても牧野修、子供が死ぬ話に何か思い入れでもあるのか。『スイート・リトル・ベイビー』とか『ファントム・ケーブル』(短編集)の一遍『死せるイサクを糧にして』とか。まだ僕には子供が居ないから分からんが、子供が居る人が読んだらたまらんのだろう。経験に基づく感情というものは確かにある。親が歳をとってくると、どうにも親が死ぬ系の話が感動的に思えてきたりするように。