『あずみ』見てきた。

えーと、見所はアクションのハッタリ具合とオダギリジョーでした。詳細は以下に。
北村龍平監督ということで、『VERSUS』みたくストーリーは適当でひたすらアクション一辺倒なんだろうなあと思ったらほんとにそのとおりだった。
ストーリーはきつい。ほんとにきつい。刺客の使命がいかに重要かということを登場人物に示していないため、いきなり「今からみなさんに殺し合いをしてもらいます」と言われても感情移入ゼロ。つかみの時点で失敗しているからそのあとはグダグダ。あずみ（上戸彩）達に刺客の使命を教えるべき小幡月斎（原田芳雄）の中に迷いが見える。だから観客は「なんでこいつらこんな人の言うこと聞いてるの？　幼い頃に拾われて親代わりに育ててくれたから？　それじゃ理由としては弱いでしょ」と疑問を持ったまま映画館を出ることになる。
で、アクション。やっぱり上手い。特にアクションに不慣れだと思われる上戸彩や若手俳優陣のボロが出にくいようなカメラワークと殺陣がすばらしい。これ、漫然と普通の時代劇風に撮ってたらとても見てらんなかったと思う。あずみのスピード感がしっかり感じられた。それからハッタリのきかせ方が面白かった。ワイヤーアクションのおかげでものすごく嘘臭い動きをするのだが、これが心地よい。スパイダーマンの次回作は北村監督に撮らせろと言いたくなるような浮遊感。だが人によっては鼻につきすぎて楽しめないだろう。『VERSUS』コンビの長戸（榊英雄）と飛猿（松本実）のタイマンのところとか。空飛んでるし。クライマックスの最上美女丸（オダギリジョー）とのタイマンシーンのカメラワークは面白かったんだけど、ちょっと酔った。
それから期待してたフリークスウェポンも登場。さすがに数は少ないけど。安心。あんな火縄銃ねえよ！　ってツッコミは無粋という方向で。
そしてオダギリジョー。『リンダリンダラバーソール』で大槻ケンヂを演じるという噂の。こないだコメント欄に「白塗りでブルマ＋網タイツ・・・」って発言をしたんだけど、あずみでは白塗りに化粧をして白装束に赤いバラ。やってくれました。しかもいい感じのハジケぶり。これなら安心、きっと大槻ケンヂ役も見事（？）に演じてくれることでしょう。しかしこれ、仮面ライダークウガ見てた子供が見たら愕然とすると思うぞ。
あと細かいことをいくつか挙げると、

• 血は多め。不自然に。血が苦手な人はやめといた方がいいかも。
• 死にかけの奴の顔色が『VERSUS』のゾンビみたいだったので、死んだ後に蘇ってきて延々殺しあうんじゃないかとちょっとだけ期待した。
• 僕は上戸彩より岡本綾の方が好きだったらしく、やえ（岡本綾）が出てくるまで上戸彩に釘付けだったのに出てきた瞬間目移りした。新しい発見だった。
• 上戸彩ファンにはたまらない映画かと。ふとももぶりが。

最後に竹中直人が秀吉に見えてしかたなかったなあ・・・と書こうと思ったら既に言及している人がいた（http://d.hatena.ne.jp/ribot/20030518#p1）。やっぱりそう思いますよね。